私の思い

人づくり・地域づくりが国づくり

「一身独立して一家独立し、一家独立して一国独立す。」 (福沢諭吉)

自立した個人が地域をつくり、地域力の結集が国をつくるものと考えれば、まず「人づくり」から始めることが大切です。

「人づくり」


人に迷惑をかけない、嘘を言ってはならないなど、社会生活を送る上での、最も基本的なことや、躾を教えることが忘れられているように思います。 かつて会津藩で教えられてきた、什(じゅう)の掟【年長者の言うことは聞かねばなりませぬ、うそを言ってはなりませぬ、卑怯なふるまいをしてはなりませぬ、弱い者をいじめてはなりませぬ、など】は、昔も今も、人としての振る舞いに変わりはないことを教えてくれています。

我が国では、「知育・徳育・体育」が、教育の3つの目標でした。さらに、食を通じて心と体の健康や、地産地消など地域とのつながりを教える「食育」が唱えられています。

私はそれらに加えて、例えば、集団での自然体験学習等、たくましい心と体を作る「群育」(団体生活による育成)に取り組んでいくことが、必要ではないかと思います。
さらに、社会に出てからも個人の様々な関心に応える生涯学習を進めるとともに、生涯を通して楽しめる健康増進のための軽スポーツや、個々のレベルに合わせた多様なスポーツに取り組む生涯スポーツの普及や、環境づくりにも力を注いでいかなければなりません。

日本の四季豊かな地方・地域の風土から生まれた伝統・文化を教える、“ふるさと教育”や、日本人としての自覚を身につける“正しい歴史教育”などを積み重ねることにより、自分の生まれ育ったふるさとや国への誇りと愛着・知識を持った人材を育成することが望まれます。意欲を持ち自立できる人材、変化に対応できる人材を育てることも大事です。

「地域づくり」


古くからの地域協力の慣行である“結(ゆい)”などの精神を活かして、地域力(地域住民の総合力)を高めることが大切ではないでしょうか。 歴史・伝統・気候・地理的条件など、多様な色合いを持つ我が国の“地方”において、それぞれの地域が個性と魅力にあふれ、自立・自活できるまちづくりをめざすことが必要です。

それは、単に、農林水産業や、地場産業の保護・育成をめざすことのみならず、例えば、「歴史と伝統のまちづくり」、「スポーツのまちづくり」や、「健康長寿のまちづくり」、あるいは「木の文化の町並みづくり」など、生き方としてどのような選択をするか、住民が自分たちの住むまちを、どのように築いていくか、という観点からの地域づくりでもあります。

その上で、少子化が進む今日、異なる特質を持つ地域と地域を結び、交流人口を増大させることは、これからの地域振興の鍵となるものと考えます。 都市と農村との交流を進めるグリーンツーリズムなど観光施策の充実、自転車や公共交通機関(次世代型路面電車システム、 LRT :Light Rail Transit)の活用などエコロジーの視点に立った施策を進め、生活の中から環境問題を考え、新たなビジネスチャンスを生み出すなどの工夫も大切です。

福島県では、天気予報が、浜通り・中通り・会津地方と、3通りに分かれ、さらには7つの生活圏と言われるように、気候・風土・地理的条件が異なります。産物・交通体系も異なっておりますが、逆にそれらを有機的に結びつけるため、観光回廊・物流回廊の構築を進めることは、地域発展の大きなメリットになるものと思います。

住民(国民)にとって最も身近な存在である、市町村(=基礎的な自治体)が主役となれるような地域づくり、市町村の元気が日本の活力となるような取り組みを進めてまいります。

「国づくり」


聖徳太子の17条憲法にある 「和を以て貴しとなす」という一文ほど、私たち日本人の精神を表す言葉はないのではないでしょうか。 稲作の始まった弥生時代以降、我が国は農業国家となりましたが、農業こそ、自然と折り合いをつけ、集団の調和を図り、生活を成り立たせるものです。

古代から、木や石にも神が宿ると考えてきた祖先の魂は、狩猟・漁労文化と言われる縄文時代の火焔土器に見られるような躍動的な情熱を内に秘め、また、同時に、静的で繊細な弥生式土器を生んだように、思いやり、感謝の心を、現代の私たちにも伝えているはずです。

現代の日本・日本人を形作ったのは、当時世界最高水準の識字率を持ち、高い技術や今でいうエコロジーを実践していた江戸時代であると言われております。 新渡戸稲造の名著「武士道」は、その江戸時代に形成された日本人精神を良く表しております。幕末に日本を訪れた外国人が驚嘆し、また、咸臨丸が太平洋を渡り、岩倉使節団が米国・欧州を訪れた時に、諸外国を感嘆せしめたのは、わずか150年前の日本人です。

それは、武士道を身につけた者が持つ、高い志、高潔な倫理観、深い教養と礼節、歴史的な大転換をくぐり抜け、未知の世界に毅然として立ち向かう勇気といったものが、言葉の通じない外国人をも魅了したのだと推察いたします。

私は、内閣官房副長官として福田総理の外遊に随行し、米国・アジア・ロシア・欧州各国の首脳と会う機会に恵まれましたが、その時に、日本に対する期待を肌で感じ取ってまいりました。

私たち日本人は、もっと、自国の歴史・伝統・文化や日本人の精神に、自信と誇りを持つべきだと思っています。 もとより、国家の安全が保障されて、国民生活は成り立つものです。その意味において、国の防衛を図る安全保障、治安維持、国民生活安定の基礎とも言うべき資源や食糧確保のための外交に、何より力を尽くさなければなりません。

また、資源小国日本の最大の資源である人材育成のための教育制度の充実は、国家の礎をなすものです。 そして、戦後60年が過ぎ、国の基本となる憲法の見直しなど、これら“国”が責任を持って行うべきことに対して国民の理解を求めながら、実践してまいりたいと考えます。

住民にとって最も身近な市町村が主役となる地方行政を確立するためにも、明治以来の“国のかたち”、すなわち、国と地方のあり方や、役割の分担を抜本的に改める道州制の導入こそが、新しい国づくりにつながるものと考え、その実現に向かい推進してまいります。